• 経営層・管理者インタビュー

自分自身に挑戦し、変化を受け入れるー内気な自分から、営業を担う「専務取締役」に

自分自身に挑戦し、変化を受け入れるー内気な自分から、営業を担う「専務取締役」に

中途入社11年目、41歳の若さで専務に登用された田端さん。「腹を括り、仕事と向き合う」ことを通じて、会社のピンチをチャンスに変えながら進んできました。そんな田端さんの入社前、そして入社後の仕事の歩みと、仕事にかける想いについてお聞きしました。

入社前のキャリアの歩み

地元の工業高校を卒業後は食肉業界と全く違う道で、土木会社で現場監督の見習いとして働き始めました。その後は転職して、工場の作業員として勤務。当時は人と接することが苦手で、なるべく人との関わりを避けるような職場を選択していました。

そのあと、人生に1度くらいは関東で働いてみたいと思い千葉へ引っ越しました。千葉ではホームクリーニング営業会社で営業をしていました。人見知りでしたが、たまたまお話しできた人のお宅が青森出身の方だったりしたこともあり、人と会って話すことの楽しさを知るようになります。

結局3〜4か月でまた戻ってきたのですが、その先で選んだ仕事は果物屋さんの配送業の仕事でした。前職の営業を通じて人と話す楽しさを覚えたり、お客様の要望を聞いて提案することで感謝されたりといった経験を経て、気づいたら人とのコミュニケーションが苦手ではなくなっていました。当時一緒に働いていた方にとても気さくな先輩がいて、その方にも良い影響を受けたように思います。

その後、食肉のルートセールスの営業を経て、美保野グリーン牧場へと転職しました。

自らカットしたお肉を、お客様にお届けする営業

食肉に関わったのはその時が初めてだったのですが、お肉のルート営業の仕事は飲食店を回り、飲食店ごとに異なるお肉の注文を受けて配達するだけでなく、お店ごとに異なる「カットの仕方」を把握してそのご要望に合わせてお肉を切り、お届けしていました。

それまで、自分で包丁を握ったこともない自分でしたが、先輩に教えてもらいながら、肉をカットしてお客様に届けるということをやっていました。そうやって自ら切ることで、お肉について詳しくなりますし、お客様の求めていることにも応えやすくなります。その積み重ねで信頼を築いていく…そんなことをしながら、食肉について学びつつ仕事をしていました。

腹を括り、視界が変わった

美保野グリーン牧場への入社のきっかけは、前職時代の先輩に誘われたこと。ちょうど、前職時代の最後の年に体調を崩してしまっていたこともあり、新たな環境で頑張ってみようと転職を決意しました。

入社後も前職とルート営業として、1日に10件位のお客様先をまわり、お肉をお届けしたり注文をとったりしていました。大体1人で担当していたのは30社くらいでしょうか。前職と仕事内容もほぼ変わらなかったので、割とすぐこの会社に慣れることができました。

仕事に慣れ、働く環境や周囲の人にも慣れて働いていたのですが・・・実は私、1度会社を辞めようと思ったことがありまして。ただ、その時社長と腹を割って話す時間があったのですが、そのことを通じて「辞めるのは簡単だ、あと1年と決めてやってみよう。どこまでやれるか試してみよう」と思えたんです。あの時に、自分の中で覚悟が芽生えて、この会社、この仕事に対して腹を括れたように思います。

身内でもない私が、取締役に?

その後、3年前に取締役になり、2年前に専務に就任しました。身内でもない、中途採用で入社後数年の自分が、まさかそのような役職に登用されるとは入社時は想像もしていませんでした。取締役に就任することを社長に告げられたときには、正直心の底から驚きましたね。でも、自分の取り組む姿勢や成果を評価してもらえたんだなと嬉しくなり、より期待に応えていきたいと思うようになりました。

役職をもらったあとに、周りのパートさんや社員さんには、「専務と呼ばないで」と言ってるんです。役職で呼ばれるとなんだか距離感がありますよね。役職があってもなくても、自分は自分として変わりません。変に距離感を持たれるよりは、これまでの距離感のままで、周りの人たちと仕事を進めていきたいと思います。

ピンチこそ、好転するためのチャンス

その後、この新型コロナウイルスが猛威を振るい始めました。約2年前当時、私達営業部門のメインの卸先は地元の飲食店だったため、飲食店が臨時休業等になると同時に私達の売り上げも減少。新たな卸先の開拓を模索する日々が始まりました。

スーパーなどの小売店さんへの営業や、自社でECサイトを立ち上げギフトとして販売する仕組みをつくったりチラシを作成して配るなど、新たな販売先の開拓を新しいアイディアを練りながら行いました。どのような商品作りをすべきか?といった視点は以前果物屋さんでの商品企画の経験も活きました。やってきて無駄な経験はないなと感じています。

コロナ禍の状況で、身動きが取れず苦しい時期でもありましたが、ピンチこそチャンス。苦しいのはどの会社も同じだと思いますので、これを新たなことに取り組む機会と捉えて行動していくうちに、兆しが見えてきて、今では売上を持ち直すようになりました。

挑戦を是とする会社

企画を考えて、それをお客さんにぶつけながら商品作りをするのが好きなのですが、昨年のバレンタインの時に、ハート形にカットしたお肉を「チョコステーキ」と銘打って、販売しました。これが取引先・卸先のお客様から喜んでいただけて、反響があったんですよね。

社長は「なんでもやってみなければ分からない」とチャレンジすることを後押ししてくれる人ですし、率先して自らも新しいことに取り組んでいく人。そんな社長の姿に影響を受け、私達も失敗を恐れるよりも、まずやってみよう、企画してみようというスタンスで仕事をしています。失敗してもそれはまた改善していけばいいだけの話ですからね。

今後について

今後も、これまでやってきたことを積み重ね、挑戦を続けていきたいです。会社として、ここ美保野グリーン牧場を観光牧場にしていくこと、そして地域の人たちが集まる場所にしていこうと今企画を進めているのですが、それを形にしていきたいですね。

会社あっての自分であり、自分あっての会社だと思い続けながら仕事をしていきたいです。そして私自身がそう思うだけでなく、他の人もそんな風に感じられる場所を、一緒に作っていきたいと思っています。これからも挑戦し続けていきたいです。

製造業(食品・医薬品・住宅・その他), 卸売・流通業, 小売・販売業, 飲食業, その他美保野グリーン牧場株式会社

美保野グリーン牧場は、八戸市美保野にある食肉の卸売業からスタートした会社です。現在は、食肉の卸売だけでなく自社ブランドである「八戸美保野ポーク」「美保野牛」「階上ラム」の3ブランドを展開し、商品開発から加工、販売までを自社で一貫して行うことで、お肉を通じた“食”の総合プロデュースを行っています。 私たちが提供する商品は、単なる食肉というジャンルに留まらず、これまで培ってきたノウハウや高い加工技術・設備、レシピアイディア等を組み合わせながら食肉に付加価値を付けることで「より美味しく」「より手軽で簡単に」「よりうれしく」を消費者に提供しています。 今後、日本国内はもちろん海外にもブランドを展開し、より多くの方に「私たちが作る新たな価値」を届けていきます。