• 経営層・管理者インタビュー

普通科出身の現場監督物語

普通科出身の現場監督物語

杉村建設工業 下向さんのご紹介

岩手県軽米町出身の下向さんは普通高校を卒業後、杉村建設工業に入社し、現場監督として活躍しています。就職氷河期真っ只中のタイミングで、ご縁を繋いでくれたのは現在の社長でした。自身が工業高校出身ではなかったからこそ、見えないところで人一倍努力を重ねた22年間。未経験での入社から現場監督就任までの下向さんのキャリアと大切にしている考え方を伺うことができました!

就職氷河期の中でいただいたご縁

生まれも育ちも岩手県軽米町で、そのまま地元の普通高校に進学しました。当時はバブル崩壊後の影響がまだ残っており、いわゆる「就職氷河期」と言われていました。本当にびっくりしました。求人票が少ないんですよ(笑)。県内はおろか、県外からも求人がほとんど来ないという状況でした。周囲の友達も目的なく進学したりしていて…。そんな中、たまたま私の兄と杉村建設工業の専務(現社長)が知り合いだったこともあり、ダメ元で面接の機会をいただけないか聞いてもらったんです。そしたら、快く機会をいただき、「現場監督見習い」として今の会社からご縁をいただくことができました。本当に感謝しています。

現場監督への扉 国家資格への挑戦

入社当初は、正直現場監督という言葉にすらピンと来ていませんでした。とにかく現場の状況を見ながら、しっかりと指示を聞き、自分がやれることから覚えていきましたね。2年間は見習いとして現場作業に従事し、その後現場監督の補佐役「現場代理人」として当時の監督や先輩方からたくさんのことを学びました。特に、当時の監督は指示を一度に伝える方だったので、聞き逃さないようにと必死でした。数年間経験を重ね、土木に関する知識も身につけたいと思い、国家資格である「土木施工管理技士2級」へ挑戦する決意をしました。国家資格については、現場監督を目指すうえで避けては通れないと思っていましたし、先を見据えて今のうちに知識をしっかり身につけておきたいという気持ちもありました。試験日の約1ヶ月前から、会社の支援で講習会へ参加し、専門知識を問う「学科試験」と考え方を問う「実地試験」について試験対策をしました。この期間は、学生の頃のテスト勉強を思い出しましたね(笑)。それに、実地試験は小論文でしたので、書き方や表現に関して特に苦労しました。例えば監督は、安全に対する意識をただ感じるだけでなく、安全に対するどんな対策が必要か言語化してメンバーに伝えていく必要がありますから。自分の考えを凝縮し、提言していく能力はこの期間で養うことができたのではないかと思っていますね。

試験の結果は、1勝1敗。学科試験のみ合格でした。合格率20%以下と言われており、「国家資格は甘くない」という厳しさを学びながらも、ワンランク上の自分を目指すうえで良いターニングポイントだったと思います。翌年、実地試験も無事合格し、その数年後には目指していた「現場監督」として、指揮を取ることになりました。

先の先を見据える司令塔

現場監督の仕事は主に「現場の段取り」です。現場の規模によって、人員や重機、資材の数なども変わってきますし、スケジュール調整も必要です。このような「調整」を行いながら、現場では時間管理をしながら常に先の展開を見据えていますね。その中でもやはり工事は安全が第一なので、監督として広い視野を持つことが求められます。例えば、暑い夏場の作業だと、作業員の表情ひとつも見逃しません。特に、経験が豊富なベテラン作業員ほど「我慢」をしがちです。こちらから積極的に声掛けを行い、水分補給を促すことは強く意識しています。そのほか、現場に適した安全管理の徹底、仕様通りか確認をする出来形管理、コンクリートなどが適性の固さになっているかなどの品質の評価、最終的には竣工に沿って報告書類などの作成をしていきます。現場をこなすごとに感じる気持ちは「今回も終わった時にメンバーがいい表情をしていたな」ということですね。やはり、何事もなく安全に工事が終わると自然と嬉しいものです。監督である私は、達成感を感じているメンバーをみて喜ぶ、といった感覚に近いと思います。

年々整っていく働きやすさ

土木や建設と聞くと「きつい」というイメージがなかなか拭えません。外仕事ですし、綺麗な仕事でないのは確かです。ですが、業界よりも会社を見てほしいなと私は思います。私自身、杉村建設工業一筋で22年経ちますが、年々働きやすい環境が整っていくのが目に見えて分かるんですよ。例えば、日・祝休みに加え、土曜日も隔週で休みですし、有給も制度としてしっかり取得するよう会社から促されています。何より残業がほとんどないので、「今日はここまでやったからまた明日頑張ろう」という明るい気持ちが湧いてきます。
また、資格についても個人の経験に応じて挑戦できる機会があり、会社も積極的にサポートしてくれますね。現在、社員15名と少数精鋭ですが、社長との距離も近く、アットホームな会社ならではの温かさを感じています。その雰囲気は現場にも浸透していて、終始和やかな感じです。

反骨精神がパワーとなる

私は工業高校出身ではないので、他の人よりも倍の努力を意識して仕事に向き合ってきました。思い返せば、工業高校出身ではないからこそ、様々なことに挑戦心を持って仕事に打ち込んでこれたのだと思っています。現場監督になってからもその想いは変わらず、土木施工管理技士1級へ挑戦し、取得することができました。なんの資格があるから偉いというわけではなく、挑戦した証として自分にずっと残っていくので、そのような向上心は常に持っていたいですね。また、今後の目標としてはこれまでの経験を次の世代に託すことも見据えながら、社内での教育体制にも力を注いでいきたいと考えています。

これから一歩を踏み出したい方へ

最後にこれから一歩を踏み出したいと考えている方へメッセージを送りたいのですが、コロナ禍を乗り越え、自分を表現する場や仲間と過ごす機会を逃したりなど色々な経験をされている方もいると思います。
その経験をマイナスに捉えるだけでなく「ほかの人と違う経験だからこそ、バネにして負けない」という反骨精神に変えていくと、何かしら一歩を踏み出す大きなパワーになるのではないかと思っています。一緒に頑張りましょう。少しでも興味があれば、うちの会社を覗きに来てください!

建築・土木業, 建設・土工, 製造業(機械・電気・電⼦・素材・化学), 設備・メンテナンス業, 環境・エネルギー業杉村建設工業株式会社

杉村建設工業株式会社は青森県八戸市を拠点とし、土木業をはじめ舗装や修繕など、公共施設から住宅まで様々な工事を行っています。私たちは、生活に欠かせない衣・食・住に加えて「地域」という枠があると捉え、人々が安心して暮らせる環境づくりに貢献してまいりました。これまでお任せいただいた信頼を大切にしながら、常に新しいモノづくりに挑戦していく企業でありたいと考えています。