• 社員インタビュー

とことん「魚」そして、商売人として「人」と向き合う仕事です。

青森魚類株式会社

山内 達矩留(Yamauchi Takkuru)

「実は牡蠣が苦手だったけれど、1年目に牡蠣の試食を経験し辛かった」「入社前まではラグビー部のような上下のある職場での人間関係を想像していたけれど、まったくそうではなくて驚いた!」「実は人見知りだったけれど、お客さん達に話しかけられるうちに人見知りでなくなっていることに気づいた」・・・。「想像と違った」「思いがけないことがあった」就職・転職にはそのような入社前後のギャップが沢山あります。山内さんがそのようなギャップに直面しながらも、入社してから4年、「魚」と、そして「人」にとことん向き合い続けてきた歩みをお聞きしました。

ラグビーひと筋の学生生活でしたが、同じ位の熱量で取り組んでいたのが「ねぶた祭」でした。

名前の通り、部活はラグビー部に所属し、ラグビー推薦で札幌の大学に進学しました。ラグビーと同じくらい小さなころから家族みんなで向き合っていたのが、青森ねぶた。父親が「扇子持ち」という山車を先導する役割を担っており、母親と私は太鼓をたたき、囃子として参加していました。大学の就活の際に、頭に浮かんだのは「またねぶたと関わる人生を送りたい」ということ。高校生・大学生の頃はラグビーの試合や合宿の時期と祭りの開催時期が重なることが多く、数年間は直接祭りに参加できていなかったのですが、社会人になったら仕事と祭りを両立できるような会社に入りたい、そして青森へ帰りたい、という想いで就職活動を行っていました。父親が大のねぶた好きで、実行委員長を務めたこともあるのですが、その父親が青森魚類の社長と知り合いで、社長もねぶたの実行委員長を務めていらっしゃったことから縁があり、青森魚類を知りました。

青森魚類では、毎年「マルハニチロ佞武多会」の一員として、社員総出で祭りに参加しています。面接で社長とお会いしたのですが、ほとんどねぶたの話しかしていないような記憶です…(笑)。社長からも会社に対してはもちろんのこと、ねぶたについての熱さを感じ、この人のもとで働きたいと思い、志望しました。

「商売とは何か」を教わった1年目。

当社には私の所属する「鮮魚部」鮮魚課のほかにも、「鮮魚部」特種・マグロ課、「食品部」では製品・魚卵課、冷凍鮭鱒課、「企画管理部」では企画課、管理課、といった様々な部署があります。入社当初は1日ごとに各課で研修し、その課がどのような機能を持つ課なのか?どのような業務を行っているのか?ということを見学し教えてもらいました。入社前は「みんな魚を売っているんだろうな」といった曖昧なイメージをもっていましたが、実際に研修してみると扱っている魚種・商材も全く異なるため、同じ会社でも各課で全く違うということを理解しました。業務はそれぞれ異なりますが、皆さん気さくに仕事について教えてくださったのも印象的でした。

入社1年目は「鮮魚部」の特種・マグロ課に配属されました。私はマグロと牡蠣を担当する先輩のもとで色々教えていただきましたが…実は牡蠣が苦手でした。担当する魚種は、新しい産地の物が入荷されるたびに鮮度や味を自分で説明する必要があります。そのため、勉強の一環で毎日のように試食し、その違いを確かめますが、牡蠣は苦手なので「食べれません」という訳にはいきません。それさえも乗り越えようと頑張りました。後になって先輩に「牡蠣は苦手だった」と告白したときには驚かれましたが…(笑)

この1年目の時期に、先輩のもとで商売の仕方を学んだように思います。魚の品質は毎年違いますし、産地ごと、そして気温によっても変わります。営業として、仕入れた魚の鮮度・品質を見極め、いい物はきちんと高く売ること、そうでないものもどの様に値付するのか?といったことを学びました。もちろん、1年では覚えきれず、4年目の現在も勉強の日々です。毎年変わるので、毎年学び続けているような感覚です。

鮮魚課へと異動した2年目。

当社では1年に1度、上司との面談があります。1年目の終わりに、私も面談する機会がありました。その際に、今考えていることを聞かれ「もっと他の魚種も見てみたい」「自分で考えて商売をやっていきたい」というようなことを話しました。すると、2年目はその要望を叶えていただき、同じ鮮魚部の「鮮魚課」へ配属が変わることになりました。このように、自分の現時点での意見を聞いてもらえる場があること、またそれを受け入れてもらえることは安心感にも繋がりました。
鮮魚課では名前の通り、生の魚を担当します。こちらも最初は先輩のもとで学び、とことん様々な産地の鮮魚を目で見て、食べてみて、上司やお客さんに聞くということを繰り返しました。鮮度がいい魚の特徴は何か?魚のどのようなところに着目すればいい魚とそうでないものを見分けられるのか?といったことをとことん教わりましたし、自分自身でその見分けが出来るように努め、徐々に仕事を任せてもらえるように。
3年目に「せり人」の資格を取り、無事一人前の営業として土俵に上がりました。

朝出勤してから退勤するまでの仕事の流れと、帰宅後の過ごし方について。

1日の流れは、朝4時に出社して当日入ってくる荷物を受けます。荷物を確認した後はせりに備え、せりで売りやすいように荷物を揃えます。5時15分から1回目のせりが始まりますが、1回目のせりはせり人の補助作業をすることが多く、せり落とされた商材の値段を機械に打ち込む作業などに追われます。だいたい6時頃にせりが終わり、この後に朝ご飯を食べます。会社に社員食堂があり、朝食と昼食を取れますが、朝は大体魚、昼は魚以外のメニューが多いです。その後、事務所で帳面作成をしながら集荷の手配を行います。そうこうしているうちに10時から2回目のせりに。2回目のせりはせり人としての役割を果たします。その後はお客さんに翌日の注文を確認し13時頃勤務終了。昼ご飯を社員食堂で食べて帰宅する、というのが大体の流れです。

帰宅後、私は昼寝を少し取り、18時頃に起きます。そこから夜ごはんの支度をして食べたり、テレビを見たり、好きなことに使っています。大体24時頃に寝て、2時半頃に起床、4時に出社するというペースです。2回に分けて睡眠をとっている感じですね。
どんなリズムで過ごすかは人それぞれだと思いますが、私の場合はこんなペースが落ち着きました。朝早いことには正直慣れない部分もありますが、自分のペースを作れるようになると楽になると思います。

「いいものは、高く売りたいですね。俺らが高く売ることで、漁師さんへより多くが還元されるから。」

営業担当として重要な役割の一つは、着荷した商材を、「いくらで値付けするのか?」ということ。私たち卸売業者には、仕入元となる業者さん、その手前にいる漁師さんがいます。また、私たちが商材を販売する先の業者さん、そしてそれを売る小売店さん、そこから食材を購入する消費者の方。そういった一連の繋がりの中に、私たち青森魚類がいるのです。私は、私たちが良いものにはきちんと高値で買い取ること、そして、その品質の良さを説明し、高値で売ること。その両方をしっかりと行うことが大事だと考えています。私たちが高値をつけることで、漁師さんへより多くが還元されます。また、最終的に購入する消費者の目線も忘れずに適正な値段で販売することも同時に必要です。バランスが大切ですね。私の手元に来る商材の「手前」と「その先」までを見据えて、適正な値付けしていくことに私たちの存在価値があるように思います。漁師さんから消費者までの一連の流れを良くすること、良い循環を作ることがwin-win-win-win…と繋がっていくはずなので、そこをいつも意識しています。

失敗・大変さと、やりがいについて。

この4年半くらいの間に、してきた失敗はたくさんありますね。注文をいただいたのに荷物を出し忘れ、自分で届けに行って謝ったり、逆に多く仕入れすぎてしまったり。。。でも、注文に関するミスをしたとしても、それをどう解決するか?次どうすればいいか?ということを一緒に考えてくれる上司が多いです。頭ごなしに怒られたりすることはないので、都度どうするべきかを自分で考えてと言われているように思いますね。

この仕事をしていてやりがいを感じる時は、やはりスーパーなどの量販店でお客様が実際に購入していくのを見るとき。自分の仕事がこうして消費者のお客様へときちんと繋がっているんだなと感じることができます。逆に、売り場を見に行ってあまり手に取って頂けていない時も、お客様が買いやすい値段はいくら位なんだろう?と、その理由を自分なりに分析したりしています。正解はなく、それを常に考えていく仕事だと思うので、奥が深いですね。

「中には毎日電話で会話する方も。お客様とも、人と人の信頼関係で繋がっていますね。」

担当する魚には必ず旬があります。旬の時期は市場でもお客様からも求められニーズが高いので、売りやすいです。でも、旬を過ぎ売りにくくなる時期に、いかに捌くか?を考えますね。安易に値段を下げたくはないのです。そんな時に要になるのはお客様との関係。こちらが厳しい時に助けてもらったり、逆にお客さん側が苦しい時にこちらで出来ることをしたり。そうした「営業担当とお客様」という関係性を超えて「人と人の付き合い」をしているように感じています。私の携帯にはお客さんの番号がたくさん登録されていますが、半分は毎日会話するような方達です。そんな方たちに支えられていますね。

実は入社する前は人見知りだったんです。でも、お客さん側からどんどん話しかけてくれる人が多くて。懐の深いお客さん達に揉まれているうちに、人見知りも克服しました(笑)。

社内はONE TEAM。

営業一人ひとりがまるで個人商店のように機能している当社ですが、社内のチームワークも同時に存在しています。営業は毎年2月に年間の売上目標を自分で決め、各月の目標に落とし込みます。月に2回営業会議があり、その進捗を確認し合う体制をとっています。その会議の中でも、個人の達成/未達成を責めるということはなくて、「今年この魚は不漁で厳しい。こっちの魚は調子がいいからこちらでカバーしよう」という会話が多いです。
入社前はきっと男社会だろうし、これまで経験してきたラグビー部のような、厳しい上下関係がこの会社にもあるんだろうなと勝手に想像していました。正直、ちょっと怖いなと…。でも、入社してみると全くそんなことはなくて。信頼関係がしっかりと築けているからこそ、上司も○○部長、といった肩書で呼ぶことは無く基本的には〇〇さんと名前で呼びますし、かしこまった敬語のやりとりもありません。そういった意味では、入社前のイメージとは大きく違いましたね。

カツオの取引高を、かつての水準へと戻したい

今後は、自分が担当しているカツオの取引高を戻すことが目標です。今から4~5年前は取引高もかなり高い水準でした。鮮魚のカツオをただ売るだけでなく、冷凍ものを扱ったり、タタキに加工したりと売り方を工夫し試行錯誤をしています。自分の提案が決まった時には嬉しいですし、より美味しくカツオを消費者の方に届けられるように工夫していこうと思っています。毎年毎年変化のある仕事なので、まずは自分が担当する魚種を突きつめていきたいですね。

卸売・流通業青森魚類株式会社

青森魚類は青森市中央卸売市場における水産物の卸売会社として、鮮魚や冷凍魚、塩干魚、加工食品等を日本全国はもちろん、世界中から集荷し消費者へ安定的に供給する重要な役割を担っております。また、魚介類だけでなく、魚肉ソーセージ、おでん、伊達巻、カマボコに至るまで、普段スーパーで目にする食材を多数取り扱い、1日約2000アイテムを供給しています。 年々、人々のライフスタイルは多様化し、消費者ニーズや食文化も常に変化しています。私たちはその変化を敏感に感じ取り、広い視野と専門知識、新しい発想を柔軟に取り入れ、豊かな食生活を送れるよう取り組んでいます。また、海外における魚食の普及もあり、海外での需要は着実に伸び水産品のグローバル化が進んでいる昨今、私たちの果たす役割はより一層重要になっていきます。