• 社員インタビュー

周りがサポートしてくれるから、初めは専門知識がなくても大丈夫

周りがサポートしてくれるから、初めは専門知識がなくても大丈夫

公益財団法人核物質管理センター

小林 翔太(Shota Kobayashi)

保障措置検査員小林さんのご紹介

大学で放射線を学び、新卒で入社した小林さん。放射線の知識はあるものの、検査員の業務内容はまったくの未経験だったのと、勤務地が六ヶ所というゆかりのない土地だったため、最初は不安があったそう。
7年目になる今は、のびのびと働かれているご様子。どのように仕事に慣れていったのかお話頂きました。

保障措置検査員の仕事について

核物質は核兵器としても利用できるものです。そのため、核物質が平和目的以外に利用されることがないよう、国や国際機関によって、厳重に管理されています。
青森県内には「日本原燃」や「東通原子力発電所」などの核物質を取り扱う事業所があり、検査員は、各事業者が申告した内容の正確性の検査・確認を行っています。共に検査を実施する外部の各関係者との調整も主体となって行うため、コーディネーター的な役割も果たします。

初めは専門知識がなくても大丈夫!

核物質管理センターのことは、就職活動をしていたときに、大学の事務局で教えてもらいました。放射線のことは大学で学んでいましたが、検査員の業務内容についてはまったくの未経験でしたし、原子力のなにか検査をやるんだくらいのことしか、分かってなかったと思います。でも、自分が勉強したことを活かせる仕事に就きたいと思っていたので、不安もたくさんあったのですが挑戦することにしました。
面接では、主に自分が今まで勉強したことや、この業務に合ってるんじゃないかと思う自分の性格を話したりしたと思います。
あとは英語を使うことや転勤があることは知っていたので、それにも抵抗がないことなど伝えました。

無理のないステップアップの制度

内定をもらっていざ働き始めるまでは、難しい専門知識があって、家に帰っても勉強が必要なんじゃないかと心配していましたが、入ってすぐそれが杞憂だったと気付きました。先輩方の手厚いフォロー、研修、習熟度に応じた段階的な業務と、無理なくステップアップしていく制度が整っていたからです。

実際は入社してすぐ検査員として業務を行うわけではありません。人によって違いますが僕は3年間くらい、放射線測定機等の機械のメンテナンスをしながらその機械が何に使われるのか教えてもらいました。これが検査員の下積み時代のようなものです。業務に慣れたころ、研修と試験を受けて検査員の資格をとります。
検査員になってからも、先輩たちに教わりながら、2~3人で業務をします。一人で抱え込んだりする業務はないので、業界未経験の方も安心して働けると思います。

日本で唯一の仕事「保障措置検査員」の具体的な業務

おそらく、「保障措置検査員」が具体的に何をする仕事なのか、わからない人のほうが多いと思います。
日本で唯一の職業ということもあり、聞き慣れない言葉ばかりだと最初は僕も思っていました。
検査員の業務は大きく分けて六つあります。
一つ目は、帳簿の検査です。核物質を管理している帳簿と、国やIAEAに報告したものの整合性のチェックを行っています。
二つ目は、「員数勘定」。実際に保管されている核物質の量を数えることです。
三つめは、「非破壊分析」という、核物質の容器から出ている放射線の数値から中身を確認します。このとき使う放射線測定器のメンテナンスも行います。
四つめは、試料の採取。分析員が化学分析をするための、核物質の採取です。
五つ目は、「封印」といって、核物質の中身に変更があった場合、容器に専用のタグのようなものを取り付け、変更が分かるようにします。
六つ目は、核物質を監視している監視カメラの記録のチェック。
この中で、IAEAの職員「査察官」も立ち会うものもあるので、そういったときはその日程の調整や、検査当日の段取りも行います。

僕が所属する検査課には14人の職員がいて、月に10日程度は日本原燃へ行き、さっき述べたような業務を行います。関連する事務作業は、センターの自席でしています。
検査員の業務は多岐に渡りますが、毎日これらすべてをこなすわけではないので安心してください。日によって業務が違います。
また、僕も検査員になるまでの下積み時代に教えてもらったことが、実務で「実際にこれはこうやって使うんだな」「ここで必要なんだな」と繋がったので、入社してから検査員の認可をもらうまでの期間で、しっかり覚えていけば問題ありません。

英語に対する不安も今は克服

聞き慣れない言葉だと思いますが、僕たち検査員は、IAEA(International Atomic Energy Agency 国際原子力機関)の職員「査察官」と一緒に業務を行います。僕たちと一緒に核物質の管理を行う国際的な機関、と思ってください。そのIAEA職員の方は、海外の方で、一緒に行う業務のスケジュールの段取りや、当日の業務では英語で話します。
僕も英語は学校で学んだ程度で、最初はかなり不安だったのですが、メールはGoogle翻訳を使っていますし、簡単な単語を繋ぎ合わせてコミュニケーションは取れています。入社したときよりは、話せるようになってると思いますが、分からないときは検査員同士で助け合いですね。

ゆとりあるプライベート

僕はいま借上げ住宅の戸建で妻と暮らしています。核物質管理センターは、住宅手当など職員の生活を支える福利厚生が整っています。また、残業はほとんどないし、休みもしっかりとれています。休日は、青森市や八戸市へ車で行って映画を見たり買い物をしたり、趣味のボルダリングをすることもありますよ。

自分の性格があってる仕事

特に検査員は、IAEAの職員をはじめ、各事業者や、機械のメンテナンスを手伝ってくれる業者の方など、さまざまな方とやりとりします。なので、誰とでも臆せずコミュニケーションをとれる性格が、仕事に活きているかなと思います。
職場の人間関係はすごくいいですし、楽しいですよ。今後は僕も、今まで自分がそうしてもらったように、新人さんをサポートしたいので、今後も様々な経験を積んでいきたいと思っています。


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環境・エネルギー業公益財団法人核物質管理センター

私たちは、1972年の設立から国内の核物質が平和目的にだけに利用されていることを確認する「保障措置」に関連する業務を行っています。 オーストリアのウィーンに本部を構える「国際原子力機関(IAEA):核の番人」が、核物質が平和利用目的のみであるかの査察を世界的に行っており、核物質管理センターは、そのIAEAに提供する国内の核物質の情報が正確かどうかを確認する業務を担います。 日本では国内法に基づく唯一の指定機関として、日本の原子力の平和利用を支えています。 現在、青森県六ケ所の地元採用を強化しており、保障措置検査員や化学分析員、放射線管理員といった、センターの中核となって業務を進める職種を募集しております。 放射線や原子力について経験が無い方でも、職種ごとの業務内容やインタビューをみてご興味があれば、ぜひご応募ください。