- 社長インタビュー
新聞印刷で情報化社会の発展を支える
北東北3県の読者に届ける日刊新聞4紙の新聞印刷を担う、株式会社東日オフセット。東日オフセットの他社に負けない強みと、これから入社する若者へ向けた想いについて、中村社長に伺いました。
毎日新聞グループの新聞印刷会社
東日オフセットは毎日新聞社グループの持ち株会社である毎日新聞グループホールディングスの傘下の印刷会社です。1975年に北東北3県の毎日新聞、スポーツニッポン新聞の印刷拠点として設立し、日本初の完全オフセット印刷の日刊紙印刷工場としてスタートしました。
私は、2018年に東日オフセットの代表取締役社長に就任しました。それまでは毎日新聞社で技術者として、記事や写真のデータ入稿や新聞組版など新聞制作システムの開発、運用に携わってきました。東京出身です。青森県には数回仕事で来ただけでしたが、現在は青森市で暮らし、仕事の傍ら北東北の豊かな自然や様々な行事などを楽しんでいます。青森は、本当に良いところですね。
この時代、情報メディアが多様化し、人口減少、新型コロナウイルス感染症の拡大など、世の中が想像もできなかったようなダイナミックな変化に見舞われています。社長として当社の経営を担って思うのは、新聞の在り方も変わり続けているなかで、社員にはこれから先どのような変化があったとしても対応できる技術を身に付けて欲しいということです。
当社は新聞印刷を専門とする印刷会社ですが、基本的な知識、技術は新聞印刷に限るものではなく、雑誌やチラシなどの一般媒体の印刷にも共通する汎用的なものです。社員には、東日オフセットの輪転機を使って新聞を印刷する、という部分で満足せず、幅広い知識と技術を身に付けて欲しいと思っています。
新聞印刷は、民主的な日本を支える責任ある仕事
東日オフセットは、青森、秋田、岩手3県の読者にお届けする毎日新聞、スポーツニッポン新聞を印刷しているほか、聖教新聞、公明新聞も受託して、日刊新聞4紙の印刷、発送業務を担っています。ネットワークが発達し、様々な情報メディアが活用されていますが、国民の信頼度が一番高いのは新聞です。私たちは、新聞を日本の民主的な社会を維持、発展させるために必要な情報メディアと位置づけ、4つの新聞を印刷し、確実に翌日の朝までに読者にお届けするという業務に責任を持ち、全力で取り組んでいます。
このほか、毎日新聞グループで発行する毎日小学生新聞、別刷りなどの新聞や、サンデー毎日などの週刊誌、ムック本の配送拠点としての役割も担っています。
印刷技術の高さが自慢。仕事に誇りを持って働く社員が多い
東日オフセットは高い印刷品質を提供することで、グループ企業内で存在感を発揮しています。グループ企業の中でも規模が小さく、印刷部数も少ないですが、技術力を高めて印刷品質を磨くことで会社としての価値を上げています。
これまでに、グループ内の工場が参加する印刷品質コンテストで、毎日新聞から「印刷クオリティ大賞」を3度受賞したほか、スポーツニッポン新聞の「スポニチ印面大賞」を2020年に3度目の受賞を果たすことができました。「印刷品質の高い読みやすい新聞を読者に届けたい」という想いから努力を続け、社員全員がその伝統を受け継いでいます。
印刷会社というと、インクの油で床が汚れていたりするイメージが強いかと思いますが、2004年に竣工した工場は、16年経った現在でも掃除を徹底し、クリーンな状態を保っています。「きれいな新聞は、きれいな職場から」という合言葉のもと工場内をきれいに扱い、そういった社員の心がけが高度な印刷品質につながっています。
新聞というのは、翌朝に必ず読者にお届けしなくてはならない商品であるため、「今日できないから明日に回そう」とはいきません。万一、機械トラブルがあってもその場で復旧させる必要があります。さらに、当社は青森県にあってメーカー業者と距離があるという立地条件から、機械的なトラブルを自社対応で解決する技術力が必要です。当社では「自分たちの使う機械は自分たちで直す」という精神を養い、どんな故障にも対応できる技術を身に付けた社員が活躍しています。メンテナンスやトラブル対応を内製化することは、コストダウンにもつながっています。
2019年には輪転機の自社整備保全の取り組み、2020年にはカラー印刷機能増強工事の取り組みが、グループ内の優れた技術的取り組みとして評価され、毎日新聞グループホールディングスより「技術大賞」が授与されました。
日々の運用に関しては、印刷作業の流れや、万が一トラブルが起こったときの対処法などを、担当社員がまとめてマニュアルテキストを作成しています。代々受け継がれるマニュアルをもとに、東日オフセットの新入社員は操作方法などを一から学んでいます。
青森に居ながら、大きな組織の一員として働ける職場
入社後の人材育成には、メンター制度を導入しています。夜勤と日勤が切り替わる特殊な勤務形態なので、年齢の近い先輩社員から生活リズムも業務知識も引き継いで学んでほしいという想いからです。
また、入社3~4年目の若手社員には、毎日新聞グループ企業でおこなわれる外部講習やオンライン講習などに積極的に参加させています。メーカー技術者と一緒に研修する機会も、設けています。
今後は、全国各地にある毎日新聞グループの印刷会社と連携して人事交流する機会を作り、他社のやり方や機械のオペレーションなどについて学べる体制を作り、知見を広げる環境を整えていきたいと考えています。
東日オフセットは30名程度の小さな印刷会社ですが、毎日新聞のグループ会社のひとつであるということを意識して、全国に仲間がいて自分はその一員なんだということを自覚し、誇りを持って働いてもらいたいですね。青森に生まれ育った若者が「青森で働きたい」と当社を選んで働いているので、この会社の仕事を通して、世の中の広さを知ってもらいたいという想いもあります。
また、働きやすい職場を作るため、常々どんなことでもいいから相談してほしいと社員には話していて、定期的に社員と面談しています。印刷機械も自動化が進んでいるとはいえ、人間が動かすものです。社員が元気に、気持ちよく勤務してくれることが、高品質な印刷物の制作や安全操業につながると考えています。
一人一人が生き生きと働ける職場づくりを心掛けています
東日オフセットは、青森市内で3社、青森県内でも16社しか取得していない、厚生労働省が行っている中小企業認定制度「ユースエール企業」に認定されています(2020年12月現在)。これは当社が若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良と、国から認められているということです。3夜勤2日勤1公休という勤務形態で、一般的な会社勤めとは生活リズムが異なりますが、基本的に残業はなく、有給休暇も取りやすいホワイト企業です。
新聞印刷という業態は、繁忙期や閑散期などがなく、業務量に波がないのも特長のひとつです。4つの新聞社から依頼された新聞を印刷するというのが東日オフセットの業務なので、一定の仕事を一定のペースで行い、経営的にも安定しています。
協調性・責任感・勤勉性のある人材を求む!
東日オフセットは、創立から45年(2020年時点)を迎えましたが、創業した時に入社した社員が離職せずそのまま多く残ってくれています。それだけでも、良い会社であることがわかっていただけると思います。しかし、現在働いているベテラン社員も順次定年を迎えることから、若手の印刷技術者の育成に取り組んでいくことが急務となっています。
当社は、「協調性・責任感・勤勉性」のある若い人材を求めています。
東日オフセットの業務内容には、一人で行う仕事はほとんどなく、チームで取り組むことが不可欠です。社員には、独りよがりにならず周囲と意思疎通して業務できる能力、協調性が欠かせません。そして、当社が担っている新聞印刷という業務の重要性を自覚して、責任感を持って働いて欲しいと思っています。また、勤勉性を求めているのは、一人前になるまでに時間がかかる新聞技術者の仕事に真面目に取り組み、こつこつと少しずつ技術を習得して欲しいと願っているからです。当社の業務は幅広く、すべてのポジションを網羅するには10年ほど掛かります。そのため、真面目に業務に取り組む勤勉性を求めています。
当社は、新聞という情報メディアに興味がある方や、ものを生産する機械を操作したい方、機械のメンテナンスについて学びたい方など、やる気のある若者の応募を心からお待ちしています。
東日オフセットは、「新聞印刷で情報社会を支える会社」です。新聞は社会基盤の維持に必要不可欠で、国民の幸福向上に寄与するものであることだということを自覚し、入社後は重要な仕事を担う喜びと責任感を持って働いて欲しいと願っています。