• 経営層・管理者インタビュー

会社の真ん中にあるのは人。楽しく仕事している姿を見せられる会社に

共立寝具株式会社

久保 栄一郎(Kubo Eiichirou)

祖父が設立した共立寝具を、将来、引き継ぐ予定の久保 栄一郎さん。現在は副社長として、社員と協力しながらよりよいサービスの提供を目指して奮闘しています。 久保さんが会社を経営する上でのこだわりや、社員に対する思い、今後のビジョンについて語っていただきました。

地域医療の衛生インフラを担う共立寝具

わたしたち共立寝具は、リネンサプライサービスを主軸に事業をおこなっています。リネンサプライとは、リネン類(シーツやタオル、衣類などの布製品)を、規格・サイズ・種類などお客様の要望に応じて用意し、クリーニングサービス付きで提供するサービスです。共立寝具では、病院や介護施設で使用している布団やシーツ、枕、病衣、カーテン、タオル類などを提供しています。

元々、グループ会社である弘前ドライクリーニング工場では、宿泊施設や飲食店などのリネンサプライ業を行っておりましたが、病院分野のリネンサプライも求められたことから、昭和38年に共立寝具が設立されました。今では信じられませんが、当時の病院では、看護師が忙しい看護業務の合間に、ごくたまにしかリネン類を洗濯できなかった為に、ノミやシラミなどが発生することもありました。そんな背景から、衛生管理に則った清潔で消毒済みのリネン類を病院へ提供するリネンサプライの仕組みが確立され、現在、地域の病院や介護施設の衛生インフラを担っています。

人を真ん中に置き、人が育つ会社を目指す

わたしは大学を卒業後、繊維系商社や、野外活動などをおこなう教育フリーランスを経て地元弘前市に戻り、現在は取締役副社長に就任して現在5年目です。いずれ会社を継ぐことを決めていたので、大学卒業後はリネンサプライに関係がある繊維関係の商社に入社し、現在の仕事につながるさまざまな知識を身に付けました。

私は、共立寝具を経営する上で、人を真ん中に置くことを大切にしています。今までの社会では、どうしてもお金が中心になってしまっていると感じています。お金を生むために仕事をしたり、人を動かしたり、世の中を動かしたり、、、しかしながら、わたしは人が育つため、世の中をよくしていくためなど、目に見えない部分に還元してこそお金は価値があるものだと思っていて、社員に教育の機会を設けるなど、人を大切にしたいと思っています。
自分自身が学生のときに悩んだ「なんのために働くのか」「世の中のためになることとはどういうことなのか」という問いについて考える機会を会社で設けて、世の中のために、家族のために、人のために考えて行動できる社員を育てていきたいですね。トップも楽しそうに、社員も楽しそうに仕事している会社を目指しています。

人にも環境にもやさしい、世の中のニーズに合ったサービスを提供

2019年11月にグループ会社の弘前ドライクリーニング工場では「one more」という新しいクリーニングサービスを始めました。今、ほとんどのクリーニング屋さんでは、持ち込まれた服を水では洗いません。石油から作られた溶剤で服を洗う、ドライクリーニングという手法が主流です。
しかし、溶剤といっても油なので、汗等の水溶性の汚れが落ちなかったり、作業者や環境への負荷も軽くはありません。
これまで当たり前のようにこのドライクリーニングを行ってきましたが、私自身、子どもが生まれたことがきっかけで、従来のドライクリーニングの安全性に疑問がわき、ドライクリーニングとは別の方法で、自然由来の身体に優しい洗剤で水洗いするクリーニングが出来ないかと模索し、「one more」を立ち上げました。
「one more」では、水洗いによって目に見えていない深い汚れまで落ちるようになり、使用している石鹸や洗剤も天然素材から作ったものだけを使用することで、直接肌につけても大丈夫なくらい、身体にやさしい原材料です。その結果クリーニング後の仕上がりも格段に上がりました。「クリーニングによって服がよみがえる」「服に付いた匂いがとれる」といったことから、これまで5000着以上のご利用をいただいています。
洗濯表示で水洗いがNGとなっている服を水洗いすると、クリーニングした業者の責任となってしまうため、このような水洗いの取り組みはなかなか他社が真似できない領域です。
これをひとつのきっかけにして、今後は「本当にいいサービス」の提供にシフトしていけたらと思っています。ドライクリーニングを減らして、お客様に喜ばれて、環境にも人にもやさしいクリーニングのサービスを目指していきたいと思っています。

そういう意味では、共立寝具で提供しているサージカルリネンや滅菌処理なども同じことが言えます。これまで医療現場では、手術の時、ドクターが着るガウンや手術中患者様を保護するドレープという布は、ずっと使い捨てのものを海外からの輸入に頼って使用していました。しかし、今回のコロナ禍によって輸入が滞ると、供給が追いつかなくなり、国内全域で大混乱となりました。わたしたち共立寝具のサージカルリネンは、ポリエステル素材の手術着をリユースして使うので、医療廃棄物が減り、海外製品に頼ることがなく、コストを抑えて、国内でまかなうことができます。

世の中が環境にやさしいものを求めているなかで、共立寝具ではサージカルリネンの分野、弘前ドライクリーニング工場では「one more」で、世の中のニーズに沿ったクリーニングの提供を実現しています。

お客様の要望に応えようと努力する社員が魅力

グループ全体的として、真面目でいい人が多く、そういう人たちが集まっているのが魅力ですね。たとえばクリーニングひとつとっても、お客様の「今日出して明日着たい」というようなお願いにも、なるべく応えようとします。お直し屋さんで断られたお直しにも、試行錯誤して応えようとしてくれます。それくらい、お客様の希望に応えようと行動する社員が多いですね。
社内には子育て世代の女性社員も多く、子どもの都合で休まなければならないときなどには社員どうしでカバーし合っています。
社内の改善点については、各部署のリーダーから課題を挙げてもらい解決に取り組んだり、全社員130名一人ひとりとの面談の時間を設けて、直接困っていることや悩んでいることなどを話す時間を作っています。その結果、会社全体がより良い方向に向いてきていると感じています。
また、弘前ドライクリーニング工場グループでは50年ほど前、先代の頃から重度障害者雇用制度を導入しており、社会福祉法人から紹介されたのをきっかけに、これまでずっと十数名の障がい者を雇用し続けています。働く場所がある、というのは障がい者にとっても大切なことですし、彼らがいることによって社内の雰囲気も明るい雰囲気になりますね。

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衛生インフラだけでなく、地域の教育インフラを目指す!

わたしが会社を継ごうと思う理由のひとつに、地方企業の可能性を感じたから、というのがあります。
人が楽しく仕事している会社を実現したいと思ったとき、行政でも大企業でもなく、地方企業ならそれが実現できるのではないかと考えました。全員が楽しく仕事できている、というのを実現できたら、その地域にとっても大きなインパクトになると思います。
共立寝具は、事業としては衛生のインフラを支えていますが、「共立寝具で働いているならちゃんと教育されているね」と地域で言われるような教育のインフラのようになれたら、と思っています。
魅力ある会社にしていくことで弘前への貢献や、「地域で人が育つ会社」にしていきたいですし、世の中にいいサービスを提供していける会社でありたいです。

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サービス・レジャー業共立寝具株式会社

かつて、病院の衛生状況はあまり良いとは言えませんでした。 今では信じられませんが、私たちが創業した1963年、院内でノミ・シラミなどが流行することがあり、その原因の1つがリネン品(シーツ・枕カバー・タオル等の繊維製品の総称)です。当時は洗濯からアイロンがけまで病院スタッフが行っており大変な思いをしてやっていましたが、本業ではないために衛生管理というものがありませんでした。 リネンサプライ事業では、リネン品の管理・補充を病院からアウトソーシングされ、専門知識に基づいて高度に衛生管理されたリネンを提供することで、院内の衛生環境の向上に貢献してきました。 時代が変わり、我々が提供(サプライ)する物は、モノからコトへ移り変わってきています。例えば、これまで使い捨てだったガウン・カバー等のサージカルリネン(手術資材)は、繰り返し使えるリユース製品に注目が集まっています。時代の変化の中で、新たなスタンダードを作り出し、地域と共に輝き続ける会社であることを目指します。