• 社長インタビュー

「りんご農家」から「りんご産業を牽引する農業法人」へ進化

株式会社RED APPLE

赤石 淳市(Akaishi Junichi)

ご自身で4代目となるりんご農家に生まれた赤石さん。この株式会社RED APPLEを一般的な「りんご農家」から「農業法人」へ、そして「りんご産業全体を牽引する企業」へと進化させた張本人です。今に至るまでのキャリア、そして会社経営に対する考え方、今後のりんご産業への視座について語っていただきました。

就農前のキャリアについて

この株式会社RED APPLEのはじまりは曾祖父。米農家から始め、徐々にりんご作りも行うようになったようです。自分がこの会社を始めるまでは「農業は儲からないもの」というイメージがあり、積極的に継ぎたいとは思っていなかったので、学校卒業後は関東へ。神奈川県にある土木系の会社に入社し、道路の舗装工事をしたことを皮切りに、電気工事士、左官、大工、運送業など色々な会社で働きましたね。そのなかでも最後の方に経験したのが配置薬の営業。それまでは手に職をつけ働くような仕事をしてきた自分にとって営業は未知の世界。でも、やってみると案外知らない人と話すのが苦ではない自分に気づき、楽しく仕事が出来ていたような気がします。この時に「売ること」の楽しさを覚えたことが、今の仕事にも役立っているように感じます。

営業の仕事は案外、性に合っていたのですが、残業もあり勤務時間も長く、中々家族との時間を持てないということを解消したく、最終的には実家を継ぎりんご作りに取り組むことになりました。

EC販売のきっかけはある人との出会い

31歳で父から園地の代表を譲りうけた当初、作付け面積のうちりんごは1.5ha(ヘクタール)と今現在の9分の1ほどでした。
その後、試行錯誤しつつりんご栽培についての経験を積み始めた頃に1つの転機となったのが熊本県にあるECサイトで野菜や果物の販売を行っている会社の社長との出会い。それをきっかけに、九州方面への販売ルートが出来、自社でECサイトを立ち上げ自分達で販売までを手掛けていくという方向へと舵を切り始めることが出来ました。また、ありがたいことにその会社が運営するECサイトで販売するために、自分達だけでは生産し切れないほどの注文をもらえるようになりました。これを契機に社員を雇い、作付け面積を増やしていくという現在の礎が出来ていきました。

世界の「りんご作り」に目を向ける

もう1つ、この会社のターニングポイントとなったのはある企業との出会いです。その企業は国内の果物や野菜を扱う輸出商社であり、日本に先駆けた栽培方法を取り入れている海外のりんご作りの手法を積極的に学びりんごの生産も行っている会社です。

彼らと出会い、イタリアやニュージーランドへ海外視察にも出かけました。日本では「りんご栽培は手がかかるほど良いものが出来る」という考え方をする農家さんが主流で、「りんご作りは職人の技」のように語られることも多いです。

一方、海外は「効率的」「合理的」なりんご作りが主流。例えばイタリアの南チロル地方では日本でも近年取り組まれている「高密植栽培」という手法を用いてりんご作りが行われています。高密植栽培では高度な剪定技術が必要ではなく、初心者でも栽培しやすいといった違いがあり、りんごの木が「面」で育つよう栽培していくため、収穫の際の効率が良いといったメリットもあります。(一般的なりんご畑では、りんごの木1本ごとにはしごや台に上ったり下りたりしながら収穫する必要がある)

私たちは、栽培ノウハウを提供しコンサルティングするという立ち位置で関わっていますが、彼らとの関わりをきっかけに、私たち自身の畑でも高密植栽培のみならず、世界の最先端のりんご栽培手法を学び、資材を取り入れて栽培にチャレンジしています。

新たな栽培手法に取り組むのは、生産原価・生産コストを下げることへ挑戦したいという思いから。高品質のりんごを、生産コストを下げながら大規模に生産していくとことの両立は、なかなか難しいことですが、そこにワクワクしながら取り組んでいます。

会社経営は一人で全てできない。だから任せる。

会社を経営していく上で必要なキャッシュフローを回すという考え方をはじめ、必要なことは本やネットで調べながらやってきました。経営をどうしていけばいいかということは、当初は自分で考えることしかできませんでした。でも、すべてを自分一人でやろう・出来る、なんてことはもともと考えていなかったので、自分が出来ないことは、出来る人に任せていこう、たとえ自分の給料を下げてでも、出来る人を雇い入れて任せていこうと決めていました。

そんな中、様々な社員に助けられてきましたが、一昨年入社した吉川も試行錯誤をしながら会社へ良い影響を与えてくれているなと感じています。彼が管理面を担ってくれるので手が回っていないところに手が回るようになり、事業運営のスピードが上がりました。私自身はより栽培部門へと時間と力を割けるようになりました。

今後について

先のことはわかりませんし、大きな目標がある訳でもありません。今を一生懸命やるしかないかなと思っています。変化していかなければ、前進していくことができません。今取り組んでいるやり方が正解だと言い切れるわけではありませんが、日本におけるりんご産業を守るのだという視点に立ち、取り組んでいます。この業界は今後大きく変わっていく必要があります。

そのうえで、社員たちには裁量をもち仕事をしてもらうようにしています。だって、その方が面白いでしょう?裁量の中で、仮に失敗や損失を出したとしても、経営者としてそれが見通せる範囲内であれば、挑戦してもらうことを促しています。そうやって、社員それぞれが自分の意志をもち、みんなで進んでいく。そんな組織に徐々になってきていると実感しています。

その他, 卸売・流通業, 小売・販売業株式会社RED APPLE

現代表の曾祖父が始めたりんご農園からスタートした当社は、今では一般的なりんご農家の規模を超えりんご栽培面積14ha規模まで拡大する事ができました。今後もより一層進む高齢化により、園地を手放す農家さんから引き継いだり新たな土地にりんごを植えることで園地拡大に取り組んでいく予定です。 当社が目指すのは「りんご産業のリーディングカンパニー」となること。農業の中でも1年をかけて栽培から収穫を行うりんごは、栽培技術をいかに組織に蓄積し人を育てていくかにかかっています。りんご作りは人作り・・・。栽培ノウハウを備えた人材を育成しながら、最先端のりんご栽培を目指して、日々挑戦しています。りんご産業のパイオニアを目指す「りんご作りのプロ集団」として、私たちと共にりんご産業の未来を創造していきませんか?