- 社員インタビュー
魅力と面白さだらけ、自然と共存する職場
調理人でありつつ、時に運転手も担当している、入社5年目の佐藤さん。これまでの体験とここで働く面白さ、そして他では味わえない魅力についてお話を伺いました。
入社は即答で決めた
入社のきっかけは仕事を探していた時に、納品業者として青荷温泉に出入りしていた知り合いに紹介してもらったことです。調理補助をしていた経験があったこともありますが、紹介してくれた方が信頼できる人だったので、「働きたいです!」と即答しました。
実際来てみて思ったことは、想像以上の山奥(6㎞の山道)で、初日は本当にこの先に宿があるのかと不安を覚えました。今は慣れてしまい何も感じませんが(笑)。雨の日も雪の日も狭い山道を運転するので、運転技術は格段に上がっていきます。
自然と共存する職場は一味も二味も違う
入社して初めての冬、滝つぼに落ちた経験があるんです(笑)。宿で使用する水は建物の裏手にある滝から採水していて、採水地を整備することも社員の仕事です。採水地の足場は狭く、さらに冬でしたので一面真っ白。足場だと思っていた所が氷でミシミシ・・・となった瞬間、そのままザボーンって(笑)。胸のあたりまで冷たい水に浸かった時は、走馬灯がよぎりました。何とか生きていたので、服のまま「滝見の湯」の露天風呂に飛び込んで助かりましたが、二度と経験したくない衝撃的な出来事でした(笑)。
職場で良かったと思うことは、いつでも温泉に入れること。あとは、街中では見えない星や流れ星がかなり見えやすいことです。空気が澄んでいるので、星空が抜群に綺麗なんです!
5月には社員で山菜を採りに行って、塩漬けにします。この作業で年中地元の山菜をお客さまに提供することができます。自然と共存している職場は大変なことも多いですが、一般的な職場とは一味も二味も違っていて楽しいです。
ここでずっと働いていきたい
携帯も通じない、TVもない、だけど自然を感じながら働けるところは自分にあっているなと感じています。全体的に自由で堅苦しい職場ではなく、アットホームな雰囲気ですので、自分はここでずっと働いていきたいと思っています。
一番大変なのは繁忙期の時で、春は弘前のさくらまつり、夏は弘前ねぷたまつりとお盆、秋は黒石の中野もみじ山の紅葉の時期です。満室の時はスタッフ総出で様々な仕事を同時進行で準備していかなければなりません。フロント、電話応対、売店、配膳など、皆で声を掛け合いながら、手の空いている人が全体を見ながら忙しい所へ入る。チームワークが抜群に凄いです。一人一人何役もこなさなければならないので大変ですが、とてもやりがいがあります。
お客さんと近い接客
ここでの接客はあえて津軽弁を使っています。それも魅力の1つだと思います。もちろん、通じないこともあります(笑)。外国人のお客様も多いのですが、片言の英語と津軽弁は不思議とかみ合います。「温かい雰囲気の旅館だね」とよく言われるのは、津軽弁がそういう空気感を作っているのかもしれません。お部屋の布団を敷くのも、食事のご飯とお味噌汁も、セルフでお客さまにお願いしていることもあってか、お客さまとの距離が近い気がします。常連のお客さまがお酒をお土産に持ってきてくれて、一緒に飲みながら語り合う夜もあるほどです。
外国人のお客さまにハプニングはつきもので、上がり湯の樽に入っていたり(笑) 、自分でランプの灯の調整をしてお部屋中を真っ黒にしたり(汗)、夏場は水着で川に入っていた方もいらっしゃったりと色々大変なのですが、なぜか笑顔があふれています。お客様には宿と一緒に思い出として記憶に残してもらえたらいいなと思います。
名物となるようなオリジナル料理を創ることが夢
この辺で採れた山菜料理がこの宿のメイン料理なのですが、入社した当時は色んな種類の山菜のあく抜き方法などを覚えることが大変で苦労しました。当たり前ですが、お客さまには美味しいと思ったものだけ出すと決めています。ですので、新しいメニューは社員に味見をしてもらい意見をお願いしています。誰が食べても満足してもらえる料理を提供したいので、日々勉強です!
夕食は18時から大広間で一斉に始まるのですが、そこで料理人が直接料理の説明をします。もちろん津軽弁です(笑)。その時に「山奥なのにこんなに美味しい料理が食べられるなんて」ってお客さまが直接声をかけてくれる時は、本当に嬉しいですね。
夢は、ここに来ないと食べられないオリジナル料理を創ること。そして退職した後も名物となるような、そんな料理を創りたいです。