• 社長インタビュー

「お客様の思い出を綺麗に残す」ということ。

八戸市でフォトスタジオを営む株式会社グランフォート、代表の差波圭司さん。カメラマンの両親の元で育ちながらも、稼業を継ぐ前は飲食業で勤務していたそうです。飲食業で培った接客スキルが、カメラマンとしての今にどう活きているのか、地域のお客様との関わりにあるカメラマンとしての歓びと苦労はどんなところにあるのか。そして、今、会社の皆さんと共に大事にしている「お客様の思い出を綺麗に残す」というスローガンに込めた想いについて、伺いました。

カメラは気づくと日常にありました

この会社の創業者は父で、私自身も幼いころから撮影現場によく同行したりして、カメラが身近にある環境で育ちました。しかし、小学5年生のときに父が亡くなり、それ以降は母が代表となり、その後法人化。4年前に私が社長に、母は会長となりました。

母は、父の生前からカメラマンとして働きながらカメラを勉強し、過去には「地中海藝術賞」をもらい、イタリアで開かれた授賞式に参加したことも。「会長に撮ってほしい」と希望するお客様が沢山いたことを覚えています。
かくいう私自身は、正直高校生のあたりまで、稼業を継ぐという意識はまったくなく、学校を卒業したあとは飲食店でアルバイトを始めました。飛び込んでみた飲食業が思いのほか楽しくて、先輩が独立したことを機に雇われ店長をしたり、東京の飲食店で働いたりする時期もありました。

ただ、振り返ると飲食業をしていた頃も、働いている仲間を撮影するなど、記録を残すために写真は常に日常にあったように思います。当時スマホはもちろんありませんし、デジカメもない、使い捨てカメラ「写ルンです」の時代。写ルンです、でよく仲間を撮影していました。

接客業とカメラマンの共通点

転機となったのは、20代半ば頃。人材不足で会社の業務が回らない、戻ってきてほしいと母に頼まれ、稼業に入ることにしました。とは言え、飲食業の仕事もあったので、当時は日中にカメラの仕事をし、終わり次第、夕方から夜にかけて飲食業と二足の草鞋状態。カメラを仕事として取り組むのは初めてでしたので、戸惑いもありました。一眼レフを数年振りに持ち、学校からの依頼で生徒さんの写真撮影をしたり、卒業アルバム作りの打ち合わせをしたり、印刷屋さんに出す作業など、業務を一つずつ覚えながら必死にやっていたように思います。

飲食業とカメラマンとしての仕事は、一見全く違うもののようにも見えますが、私の中でつながりも感じていました。飲食店では主に接客の仕事をしていましたが、飲食店における接客で大事なのは「お客様に喜んでもらうためには何が出来るか?」という視点。お客様のリアクションを見ながら、会話のキャッチボールを通して、満足度を上げていくコミュニケーションを心掛けていました。

飲食店で学んだお客様視点、お客様とコミュニケーションを取りながら繋がっていく感覚は、カメラマンとしても活かされました。お客様の良い笑顔はリラックスしていただけるからこそ生まれるもの。お客様がカメラの前に立ち、自然体で笑える環境を作るのもカメラマンの仕事です。そのためには短い時間であってもお客様を知ろうとし、理解しようとするスタンスが大事なのだということです。

良いカメラマンになるためにはいかに多くの「自分の引き出し」を持てるか

カメラマンとしての良し悪しは、自分の引き出しの中にいかに多くの「いいイメージ」が入っているかどうかにかかっていると思っています。毎日同じ場所で撮影するわけでなく、お客様から依頼いただく場所であったり、結婚式場であったり、イベント会場であったりするわけです。撮影対象者も、同じ人であってもタイミングが変われば気持ちも変わりますし、成長すれば変化もあります。

一度の現場がまさに一期一会の中で、いい写真を撮るためには、自分の中でよいイメージや絵の引き出しをどれだけ沢山もっているか、ということが大事だということ。私はこれを会長である母から教わったように思います。

今年で40年。バトンを受け継ぐ者としての覚悟について

当社はこの4月で40周年を迎えます。私自身は代表になって現在4年目ですが、まだ代表としてバトンを引き継ぎ切れていないような感覚を正直持っています。創業し、お客様との関係性を作った初代の父、そこからバトンを引き継ぎ、事業の幅を広げながら信頼関係の輪を広げた二代目である母。三代目にあたる私は、いったい何が出来るのか?何をすべきなのか。今まさに向き合っている最中です。

私達が今大事にしているのは、「お客様の思い出を綺麗に残す」ということ。プロのカメラマンとして、技術があるからこそ撮影できる瞬間を切り取ることは大事ですが、それ以上に今求められているのは、「残す」ということだと考えています。スマートフォンの広がりで写真や動画を撮るということが一般化してきました。例えばお客様自身が撮影した写真を、私達の手で編集して1冊の写真集に残していくといったこともしているのですが、それも私達だからこそお客様に提供できるものだと考えています。

シャッターを切ることでお客様の「今」を残す

この仕事をしていてやりがいを感じる瞬間は、やはりお客様に喜ばれることです。地域の写真館として、お客様のマタニティ時代、お宮参り、七五三、入学式…と、人生の節目節目で私たちの元を訪れ、写真を撮ってくださる方が沢山います。そのようなお客様の人生を、見つめている感覚です。

自分の撮影した写真で誰かの心を動かすことも出来る、涙を流してもらえるほど喜んでいただけるような機会もある。こんな仕事はなかなかないのではと思います。

人生の歓びに立ち会う仕事でもあると同時に、悲しみの節目をご一緒することもあります。

私達はありがたいことに地元の学校で証明写真の撮影をご依頼いただくことも多いのですが、私は撮影に向かう社員たちに「証明写真だからといって、流れ作業にするな、一人一人の生徒さんと向き合って撮るんだよ」と伝えています。
それは、過去に私たちが撮影した写真が「お客様の遺影」として使われることになったという出来事があったから。

元々病気がちだったとある生徒さんが残念なことに亡くなってしまい、ご家族が遺影として使える写真を選ぶ中で、私達が撮影した証明写真を使うことを決めたということをお話しに来てくれたのです。その際にご家族からは「証明写真を撮ってくださってありがとうございました。証明写真だったけれど、いい顔をしていたのでこれを遺影にしたいです」と。

写真はその人の「今」を切り取るもの。私達はどんな機会であっても、その覚悟をもってシャッターを切らなければならないと思わされた出来事でした。
この仕事のやりがいと、そして誰かの人生に関わっているという重さは、表裏一体です。それを理解しながらこの仕事と共に向き合っていける方と働いていきたいです。

すべての撮影の機会に「視点」を持つということ

いいカメラマンとなるためには自分の中の引き出しが大事だとお話しましたが、もう一つ大事なのは「視点」だと思っています。

とある家族の記念撮影に同行したときに、おばあさんがお孫さんの手を取ってにっこり微笑む光景を後ろから撮影したことがありました。
実はそのおばあさんは気難しい方で、普段はなかなか笑うこともない方だったようなのです。後日、お嫁さんに写真データを見ていただいた際、その写真を見ながらお嫁さんはいきなり号泣されて。この写真を見て、初めてそんなおばあさんの姿を見たということでした。私自身は何気なく、いいなと思ったふとした瞬間を切り取っていたうちの1枚でしたが、撮影させていただく方々の様子、関係性、雰囲気などをその場その場で感じ取り、これだ、と思う自分なりの「視点」をもって撮影に臨んでいくと、こういった出来事に遭遇することもある仕事です。

例えばある競技の撮影を依頼されたとします。それが仮にバスケットボールだとしたときに、私達カメラマンがバスケットボールのルールを理解していないと、「視点」をもって撮影するということが出来ません。それはお葬式であっても、結婚式であっても同じです。

その場の意味を理解して、自分なりの「視点」を持ち、撮影していく。そしてそれを綺麗に残していく。それが私達の仕事の使命であり、同時に大変さでもあると思います。
加えて、私たちは地域に根差した会社です。地域の皆さんの人生と共に、この会社が存在しています。地域と関わり、地域の様子を残していく。地域の情報をアーカイブしていくことも私達の役割の一つだと考えています。

これから目指したい会社の姿

まだまだ私たちの会社は試行錯誤の途中にあります。その中で私が目指したいのは、一緒に働くスタッフが「うちの会社いい会社だよ」と自慢してくれるような会社になること。いい会社だから、一緒に働こうよとスタッフ自身が他の誰かに言えるような会社にしたいですね。一人ひとりがのびのびと、自由にやっていて、結果が出せる会社。「お客様の思い出を綺麗に残す」という会社としての1つの軸を通しながら、働く人、そして地域のお客様が一緒に幸せになっていける会社にしていきたいです。

マスコミ・広告・デザイン業, サービス・レジャー業株式会社グランフォート

40年の歴史があるフォトスタジオ「グランフォート」は、これまで沢山のお客様の人生の節目をカタチに残し、記録から想い出に変わる瞬間をお客様と共に創ってきました。 地域に根差したフォトスタジオとして、スタジオ撮影のほか、併設してあるチャペルやお洒落な空間を演出したロケーションスタジオでの撮影、その他にも、出張撮影や学校アルバム制作、商品撮影なども行っています。 レンズ越しに見えるお客様のステキな瞬間を、永遠に色褪せないキレイな想い出になるよう、心を込めてお手伝いしています。